2.2.CPUの動作
1)クロック周波数
CPUに限らず、パソコン内の全ての機器は各々処理周波数をもっています。
パソコン内のデータの流れのイメージはバケツリレーに似ています。
バケツリレーをする全員が同じリズムのかけ声で働かないと、すぐ渋滞してしまい
ます。
コンピュータはバケツリレーと同じで、全ての機器が整然としたリズムでデータの
受け渡しをします。
このリズムが全て同一でないと、データの発信/受信に支障をきたします。
音楽の世界ではリズム合わせの基本としてメトロノームを使いますが、パソコンの
世界では水晶発振子をメトロノームの変わりに使います。
パソコンの動作の最小単位(リレーするバケツを1個動かす様な最小の動き)
は時間の長さの中では“1クロック“と呼ばれます。
この1クロックの長さはCPUによって異なりますが、クロック周波数で表します。
例) 1Gz=1秒間に1,000,000,000回の動作を行う
パソコンのカタログ等で、 pentium4 1Gz等と書かれている数値がこれです。
原理的にはCPUの動作クロックが早ければ早いほどCPUの動作がはやくなる筈ですが、利用者側の実感がわきません。
それは、パソコンのハードウエア、ソフトウエアを含めたシステムの進歩が著しく、それに合わせて処理が煩雑となり、一つの事を実行するための手間が増えているからです。
一説には、画面に文字を表示するのに、必要とする処理数は1000ともいわれて
います。CPU動作が1000倍速くなっても、表示するまでの動作が1000倍に
なれば、実感する表示時間は変わらない事になってしまいます。
2)CPUの性能
CPUが一つの機能を実行するには、
[命令の取り出し、命令の解読、命令の実行、結果の書き出し]
の1セットの動作をします。
この1セットの中の個々の動作時間が短い程CPUの性能が良いといえます。
最近では技術が進歩し、CPUの処理を従来の逐次処理(1つずつしか処理を実行
しない)ではなく、先行制御、スーパーパイプライン、スーパースケーラ等の技術によ
り、CPUの高速化(性能向上)はかっています。
2)周波数の発生
・水晶発振子
パソコンの基板には一個の水晶発振子がありCPUを含めたパソコンの動作周波数
の元となっています。
一般的にその周波数は、14.318MHzです。
当初、TVで使用していたものを流用した(安価に入手できた)ため、この周波数
になったようです。
・PLL
水晶発振子の発信周波数を元に、PLLという可変周波数発生装置が、CPU用
周波数、I/O用周波数、メモリ用周波数等、用途に応じて複数の周波数を発生
させます。
・クロックダブラ
また、CPU自身にはクロックダブラという、周波数を整数倍にする装置が取り付け
られています。それは、基板が供給する比較的遅い周波数をCPU内で超高速に
変換するためです。
理由は、
*高速周波数を伝える事が技術的に困難である。
*CPUに供給する周波数が決定されると、CPUの交換によるパソコンの性能
向上が期待できない。
の2点です。