自動制御入門(自動制御装置)

ITOFFELC1.htm
1.自動制御装置

1.1.自動制御
1.2.制御装置の構成
1.3.シーケンス図
1.4.シーケンス図記号

1.5.制御器具番号
    (JEM1090:2008より抜粋)
2.シーケンス制御

2.1.概要
2.2.シーケンス制御回路(例)
2.3.センサ
2.4.ブール代数
3.デジタル制御
 (コンピュータ制御)
3.1.コンピュータの構成
3.2.PLC制御
3.3.2進法と16進
3.4.2進法の数値表現
3.5.AD変換
4.フィードバック制御

4.1.フィードバック制御の概要
4.2.ブロック図(等価変換)
4.3.PID制御(一部未稿)
 
                     
参考図書

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「新人の為の自動制御入門」の為、初歩的な内容とする。また、ここではディジタル制御装置を主として説明する。

1.1.自動制御について

自動制御装置 自動制御装置とは、今の状態(現状)から、人手を介する事無く(自動的に)、目的とする別の状態へ移行させる(又は状態を維持しようとする)装置の事である。

例)
・電気ポット:現在の温度から求める温度まで(ポット内)の水温を上昇させ、一定温度を保とうとする。
・外気温という外乱に関わらず室温を一定(目的温度)に保とうとする。
自動制御装置には、メカニカルな装置、電気回路によるアナログ装置があるが、ここでは、マイコンシステムを利用したディジタル制御装置を主として説明する。
シーケンス制御 定められた手順に従って機器を順番に(シーケンシャルに)操作する。
処理条件によって操作順序(パターン)が変化する事もあるが、基本は順序制御。
開ループ制御 原因と結果の因果関係が決定されているとき、結果のフィードバックをしない制御が行える。
しかし、何らかの外乱に対するフォローはなされない。
閉ループ制御 開ループ制御では、制御対象に対する外乱(室温調節時の外気温の変化、室内人数の変化など)に対応できない。
制御対象の状態変換をネガティブフィードバックする事で、逐次制御対象を適切な値となるよう、操作端を制御し、制御対象が最適な値となるようにする。



1.2.制御装置の構成
構成 制御装置を構成する要素は制御システムによって異なるが、概ね左図の様になっている。
操作盤の例
配電盤 動力用電源(一般的には200V3相交流)と、制御用電源(一般的には100V単相交流)の電源の分配を行い、ブレーカーによる、過負荷保護、漏電保護を行う
100V以下の電源(48V、24V等)は制御盤内に電源装置を設け、分配するのが一般的。
大型プラント、工場では、受電設備にて高架線から受けた電力を、下記に説明するメタクラ、パワーセンタなどにて動力の配電を行う。
その時、制御電源はコントロールセンタから分配するのが一般的である。
動力制御盤 多くの動力を抱える大型工場、プラント設備では、以下の様な設備により電源管理を行っている。
(1)メタクラ:
   6.6kV(6.9kV)の三相交流を送電線から引き込まれた三相交流を、高圧開閉器(メタルクラッドスイッチギア)により高圧三相交流の開閉を行う。
  必要により、トランスで、480V、200Vの低圧に変換する。
(2)パワーセンタ:
  480V、200Vの低圧電源を気中遮断機により開閉する。
必要により、トランスで200V,100Vへの変換を行う。
(3)コントロールセンタ:
 200V/100Vの電源を電磁開閉器により開閉し、電源供給を行う。

各々過電流、過電圧、不足電圧他の保護回路を持つ。
操作盤 操作盤は、目的により、下記2種類があり、両者を設置し、どちらからの制御も行える様にする場合がある。

@操作機器のそばに置き、メンテナンス時、故障時の手同操作を行うもの
A各機器の操作を集中表示できるようにし、運転状態(自動制御状態)の集中監視を行う。
下記の様な機器により、構成される。
@状態表示器
  故障状態、制御状態、動作状態をランプ表示する。
A状態表示(メータ)
  水位、圧力などのアナログ値表示を行う。
制御盤 制御に必要な(動力関係以外の)あらゆるものを納める。
・制御電源廻りの用品(ヒューズ、ブレーカ等)
・電源装置(48V、24V)と電源分割回路
・制御回路を構成する用品(電磁リレー、電子部品)
・デジタル制御装置(デジタル制御の場合)
・センサーの制御回路、部品
・外部機器、装置と接続するための端子台、コネクタ
・表面(扉面)へ、故障表示器、状態表示器の設置
操作機器 モーター、ポンプ、弁(バルブ)などある。
・ポンプは直結しているモータにより駆動される。
・弁には、モーターのより開閉する電動弁と、電磁式弁(ソレノイドバルブ)がある。
センサ リミットスイッチ、温度、液位、圧力、電流、電圧など(シーケンス制御の項参照)



1.3.シーケンス図

注:ここで取り上げるシーケンス回路は説明用であるので、実運用時は十分な検討を行う事。

シーケンス図
(展開接続図)
シーケンス制御回路はシーケンス図を用いて表現する。
用途
 設計(計画)〜現地試験・メンテナンスまで幅広く用いられる。
 @回路の機能、制御内容の確認
 A容量、保護回路(保護協調)の確認
 B用品手配
 C配線
 D電気試験
 E現地組合せ試験
 F定期点検・メンテナンス

主な記載内容
 シーケンスのみで、実際の回路が構築できるよう、詳細に記載する。
@装置、機器の製造の為の図ではない(加工図、組み立て図として使用しない為、外形寸法・加工寸法等は表記しない)
A回路の機能、制御方式を記載する(別途機能仕様書による場合も多い)
B電気回路を構成する用品(型式・定格、端子番号(極性))
C外部機器との接続(接続ケーブル番号(芯番号)、接続先(接続先機器(端子番号・極性)
D電磁リレー、スイッチ類の接点使用先リスト(1個の機器で複数の接点を持つ場合、使用先リストを表記する)
E回路は通常、左から右へ(上から下へ)と記載していく。
シーケンス回路例 押しボタンと電磁リレー 接点について
@操作スイッチ、電磁リレー等の機器は複数の接点を持っていて、同じ動作を複数の回路へ伝える様になっている。
A接点には、積極的動作でONするm(make)接点ま("a"接点ともいいう)と、消極的方向でONするb(blake)接点がある。
Ab接点は通常(復帰状態)でONしており、積極的動作でOFFする。(以下の動作参照)

左記回路の動作
@通常状態で、電磁リレーRY-A(b)接点が閉じているため、LAMP-Bは点灯している。
ARY-A(m)接点は開いているため、LAMP-Bは消灯している。
B押しボタンBS-Aを押すと、
C電磁リレーRY-Aが励磁され、
D接点RY-A(m)が閉じ、RY-(b)が開く
ELAMP-Bは消灯し、LAMP-Aは点灯する。
F押しボタンBS-Bから手を離すと、電磁リレーRY-Aが復帰し、
G各接点が復帰するため、
H元の状態(LAMP-A消灯、,LAMP-B点灯)に戻る。

タイマ回路 タイマについて、
@タイマリレーは、動作条件成立後、一定時間後(指定時間後)に動作する機能を持つ。
Aタイマリレーには、動作条件が成立してから一定時間後に動作する”ONデレィタイマ”と、動作条件が不成立となってから一定時間後に復帰する”OFFデレィタイマ”がある。
以下の回路で、ONデレィタイマの動作について説明する。


左記回路の動作
@押しボタンBS-Aを押すと、
A電磁リレーRY-Aが動作し、
BRY-A接点により、LAMP-Aが点灯する。
C同時にRY-A接点によりタイマリレーTMR-Aが時間カウントを開始する。
DタイマリレーTMR-Aがカウント完了すると、同リレーの接点により、LAMP-Bが点灯する。
E結果、LAMP-A点灯から、TMR-Aの設定時間分遅れてLAMP-Bが点灯する。
F押しボタンBS-Aを離した時点で、回路は復旧し、LAMP-A、LAMP-Bの両ランプが消灯する。
自己保持回路 自己保持回路とは、押しボタンの様に、短時間の接点信号状態を保持しておく回路で、制御ではよく用いられる。

左図において、
@BS-Aの押しボタンが押されると、
ARY-Aの電磁リレーが動作し、
B同RY-Aの接点により、RY-Aの電源が(押しボタンBS-Aの接点が離れても)保持される。
C停止様押しボタンBS-Bが押される事で、同ボタンの"b"接点が離れ、元の状態に復帰する。
後優先回路 この回路に例では、押しボタンSWに2接点("a"接点と"b"接点)付きを採用している。
@BS-AをONすると、RY-Bの自己保持回路が機能する。
ABS-BをONすると、RY-A上部のBS-Bの"b"接点が離れ、RY-Aは復帰し、RY-Bが自己保持する。
Bこの状態で、BS-AをONすると、上記Aと同様にRY-Aが自己保持し、RY-Bが復帰する。
CBS-Aと、BS-B同時にONした時、RY-A、RY-B両者とも機能しない。
単線結線図 三相制御回路を単純表現するために、単線結線図を使用する場合がある。



1.4.シーケンス図記号

シーケンス図記号 シーケンス図に於ける電気記号は、JIS(日本工業規格)C0617に規定されている記号を使用する。
シーケンス回路に使用される主な接点関係の図記号を左記に示す
内容 記号
電磁継電器接点
電磁接触器接点
通常時OFF(A接点)
積極的動作(条件成立)でON
常時ON(B接点)
積極的動作(条件成立)でOFF
押しボタンスイッチ
通常OFF(A接点)
押している間のみON
通常ON(B接点)
押している間のみOFF
手操作スイッチ
通常OFF(A接点)
操作でON
通常ON(B接点)
操作でOFF
自己保持型継電器接点
(機械的保持含む)
(キープリレー接点)
通常OFF(A接点)
積極的動作(条件成立)でON
リセット(解除)動作でOFF
通常ON(B接点)
積極的動作(条件成立)でOFF
リセット(解除)動作でON
リミットスイッチ
通常OFF(A接点)
リミット位置でON
通常ON(B接点)
リミット位置でOFF
遮断器
通常OFF(A接点)
投入でON
限時動作継電器接点
(ONデレィタイマ)
通常OFF(A接点)
積極的動作(条件成立)後
一定時間経過でON
通常OFF(B接点)
積極的動作(状条件成立)後
一定時間経過でON
限時復帰継電器接点
(OFFデレィタイマ)
通常OFF(A接点)
積極的動作(条件成立)でON
条件解除後一定時間経過でON
通常ON(B接点)
積極的動作(条件成立)でOFF
条件解除後一定時間経過でON
コイル
電磁継電器、電磁接触器のコイル
(タイマ含む)
シーケンス回路に使用されるその他の記号
内容 記号

ヒューズ
抵抗器
固定抵抗 可変抵抗
コンデンサ
固定コンデンサ 可変コンデンサ
計器用変成器
計器用変圧器(PT) 計器用変流器
電流計、電圧計
電流計 電圧計 電力計


1.5.制御器具番号(JEM1090:2008から抜粋)

 制御器具番号とは、日本電機工業界が規格化している、展開接続図や外形図等のドキュメントへ記載する為の制御用品の略号。

JEM1090:2008に関連して、下記専門分野のJEM規格がある

JEM 1091   水力発電所用制御器具番号
JEM 1092   整流器変電所用制御器具番号
JEM 1093   交流変電所用制御器具番号
JEM 1094   火力発電所用制御器具番号
JEM 1115   配電盤・制御盤・制御装置の用語及び文字記号

制御器具番号は、下記に分類された項目の組合せで構成される。
JEM1090ではこの組合せについて、細かい規格がある。
以下の資料はJEM1090:2008の抜粋であるので、運用時には必ずJEM(日本電機工業会)のHPから入手し、詳細について確認をする事が必要。

@基本器具番号
 電気設備分野に用いる器具類の一般的器具名称の分類に対応し、それを表す数字。

A符号
 制御器具番号を構成する要素の前後の関係を表す記号。

B文字記号
 電気設備分野に用いる一般的な用語の分類に対応し、基本器具番号を補足する記号。

C補助記号
 電気設備分野に用いる詳細な用語分類に対応し、基本器具番頭及び文字記号を補足する記号。

D補助番号
 同じ制御器具番号が複数あるとき、それらを識別する為に用いる数字。

E系列記号
 設置される系統及び場所によって設備並びに装置を識別する時、その区分及び分割の単位を表す数字。

運用上の注意
 ・客先、サイト、現場で固有の取り決めがなされている場合が多いので、既設ドキュメント(展開接続の一般仕様等)を確認する事
 ・制御器具番号はプラントや制御機器で統一して運用されており、(各ドキュメント、運転コンソール、日報、月報の計算機出力、運転・点検マニュアル等)
  変更する時は注意が必要。


1)基本器具番号
基本器具番号 器  具  名  称 説                 明
主幹制御器又はスイッチ 主要機器の始動・停止を開始する器具
始動若しくは閉路限時継電器又は始動若しくは閉路遅延継電器 始動若しくは閉路開始前の時刻設定を行う継電器又は始動若しくは閉路開始前に時間の余裕を与える継電器
操作スイッチ 機器を操作するスイッチ
主制御回路用制御器又は継電器 主制御回路の開閉を行う器具
停止スイッチ又は継電器 機器を停止する器具
始動遮断器,スイッチ,接触器又は継電器 機械をその始動回路に接続する器具
調整スイッチ 機器を調整するスイッチ
制御電源スイッチ 制御電源を開閉するスイッチ
界磁転極スイッチ,接触器又は継電器 界磁電流の方向を反対にする器具
10 順序スイッチ又はプログラム制御器 機器の始動又は停止の順序を定める器具
11 試験スイッチ又は継電器 機器の動作を試験する器具
12 過速度スイッチ又は継電器 過速度で動作する器具
13 同期速度スイッチ又は継電器 同期速度又は同期速度付近で動作する器具
14 低速度スイッチ又は継電器 低速度で動作する器具
15 速度調整装置 回転機の速度を調整する装置
16 表示線監視継電器 表示線の故障を検出する継電器
17 表示線継電器 表示線継電方式に用いることを目的とする継電器
18 加速若しくは減速接触器又は加速若しくは減速継電器 加速又は減速が予定値になったとき,次の段階に進める器具
19 始動一運転切換接触器又は継電器 機器を始動から運転に切り換える器具
20 補機弁 補機の主要弁
21 主機弁 主機の主要弁
22 漏電遮断器,接触器又は継電器 漏電が生じたとき,動作又は交流回路を遮断する器具
23 温度調整装置又は継電器 温度を一定の範囲に保つ器具
24 タップ切換装置 電気機器のタップを切り換える装置
25 同期検出装置 交流回路の同期を検出する装置
26 静止器温度スイッチ又は継電器 変圧器,整流器などの温度が予定値以上又は以下になったとき動作する器具
27 交流不足電圧継電器 交流電圧が不足したとき動作する継電器
28 警報装置 警報を出すとき動作する装置
29 消火装置 消火を目的として動作する装置
30 機器の状態又は故障表示装置 機器の動作状態又は故障を表示する装置
31 界磁変更遮断器,スイッチ,接触器又は継電器 界磁回路及び励磁の大きさを変更する器具
32 直流逆流継電器 直流が逆に流れたとき動作する継電器
33 位置検出スイッチ又は装置 位置と関連して開閉する器具
34 電動順序制御器 始動又は停止動作中主要装置の動作順序を定める制御器
35 ブラシ操作装置又はスリップリング短絡装置 ブラシを昇降若しくは移動する装置又はスリップリングを短絡する装置
36 極性継電器 極性によって動作する継電器
37 不足電流継電器 電流が不足したとき動作する継電器
38 軸受温度スイッチ又は継電器 軸受けの温度が予定値以上又は予定値以下となったとき動作する器具
39 機械的異常監視装置又は検出スイッチ 機器の機械的異常を監視又は検出する器具
40 界磁電流継電器又は界磁喪失継電器 界磁電流の有無によって動作する継電器又は界磁喪失を検出する継電器
41 界磁遮断器,スイッチ又は接触器 機械に励磁を与え又はこれを除く器具
42 運転遮断器,スイッチ又は接触器 機械をその運転回路に接続する器具
43 制御回路切換スイッチ,接触器又は継電器 自動から手動に移すなどのように制御回路を切り換える器具
44 距離継電器 短絡又は地絡故障点までの距離によって動作する継電器
45 直流過電圧継電器 直流の過電圧で動作する継電器
46 逆相又は相不平衡電流継電器 逆相又は相不平衡電流で動作する継電器
47 欠相又は逆相電圧継電器 欠相又は逆相電圧のとき動作する継電器
48 渋滞検出継電器 予定の時間以内に所定の動作が行われないとき動作する継電器
49 回転機温度スイッチ若しくは継電器又は過負荷継電器 回転機の温度が予定値以上若しくは以下となったとき動作する器具又は機器が過負荷となったとき動作する器具
50 短絡選択継電器又は地絡選択継電器 短絡又は地絡回路を選択する継電器
51 交流過電流継電器又は地絡過電流継電器 交流の過電流又は地絡過電流で動作する継電器
52 交流遮断器又は接触器 交流回路を遮断・開閉する器具
53 励磁継電器又は励弧継電器 励磁又は励弧の予定状態で動作する継電器
54 高速度遮断器 直流回路を高速度で遮断する器具
55 自動力率調整器又は力率継電器 力率をある範囲に調整する調整器又は予定力率で動作する継電器
56 すべり検出器又は脱調継電器 予定のすべりで動作する検出器又は同期外れを検出する継電器
57 自動電流調整器又は電流継電器 電流をある範囲に調整する調整器又は予定電流で動作する継電器
58 (予備番号) -
59 交流過電圧継電器 交流の過電圧で動作する継電器
60 自動電圧平衡調整器又は電圧平衡継電器 二回路の電圧差をある範囲に保つ調整器又は予定電圧差で動作する継電器
61 自動電流平衡調整器又は電流平衡継電器 二回路の電流差をある範囲に保つ調整器又は予定電流差で動作する継電器
62 停止若しくは開路限時継電器又は停止若しくは開路遅延継電器 停止若しくは開路前の時刻設定を行う継電器又は停止若しくは開路前に時間の余裕を与える継電器
63 圧力スイッチ又は継電器 予定の圧力で動作する器具
64 地絡過電圧継電器 地絡を電圧によって検出する継電器
65 調速装置 原動機の速度を調整する装置
66 断続継電器 予定の周期で接点を反復開閉する継電器
67 交流電力方向継電器又は地絡方向継電器 交流回路の電力方向又は地絡方向によって動作する継電器
68 混入検出器 流体の中にほかの物質が混入したことを検出する器具
69 流量スイッチ又は継電器 流体の流れによって動作する器具
70 加減抵抗器 加減する抵抗器
71 整流素子故障検出装置 整流素子の故障を検出する装置
72 直流遮断器又は接触器 直流回路を遮断・開閉する器具
73 短絡用遮断器又は接触器 電流制限抵抗,振動防止抵抗などを短絡する器具
74 調整弁 流体の流量を調整する弁
75 制動装置 機械を制動する装置
76 直流過電流継電器 直流の過電流で動作する継電器
77 負荷調整装置 負荷を調整する装置
78 搬送保護位相比較継電器 被保護区間各端子の電流の位相差を搬送波によって比較する継電器
79 交流再閉路継電器 交流回路の再閉路を制御する継電器
80 直流不足電圧継電器 直流電圧が不足したとき動作する継電器
81 調速機駆動装置 調速機を駆動する装置
82 直流再閉路継電器 直流回路の再閉路を制御する継電器
83 選択スイッチ,接触器又は継電器 ある電源を選択又はある装置の状態を選択する器具
84 電圧継電器 直流又は交流回路の予定電圧で動作する継電器
85 信号継電器 送信又は受信継電器
86 ロックアウト継電器 異常が起こったとき装置の応動を阻止する継電器
87 差動継電器 短絡又は地絡差電流によって動作する継電器
88 補機用遮断器,スイッチ,接触器又は継電器 補機の運転用遮断器,スイッチ,接触器又は継電器
89 断路器又は負荷開閉器 直流若しくは交流回路用断路器又は負荷開閉器
90 自動電圧調整器又は自動電圧調整継電器 電圧をある範囲に調整する器具
91 自動電力調整器又は電力継電器 電力をある範囲に調整する器具又は予定電力で動作する継電器
92 扉又はダンパ 出入口扉,風洞扉など
93 (予備番号) -
94 引外し自由接触器又は継電器 閉路操作中でも引外し装置の動作は自由にできる器具
95 自動周波数調整器又は周波数継電器 周波数をある範囲に調整する器具又は予定周波数で動作する継電器
96 静止器内部故障検出装置 静止器の内部故障を検出する装置
97 ランナ カプラン水車のランナなど
98 連結装置 二つの装置を連結し動力を伝達する装置
99 自動記録装置 自動オシログラフ,自動動作記録装置,自動故障記録装置,故障点標定器など

注) 
  基本器具番号の構成要素を接続及び/又は区分するときには,構成要素の間に次の符号を用いる。
a)接続符号 主体(本体)・従属(用途)又は全体・部分の関係がある要素を接続する符号には,“−”を用いる。
  “−”の前の要素が主体(本体)又は全体を,後の要素が従属(用途)又は部分の要素を表わす。
b)区分符号 同位の要素を区分する符号には) /を用いる。“/"の前後に示す要素は, a)に規定する関係はもたない。


2)文字記号(火力発電所用制御器具番号の場合、JEM1094より抜粋)

 器具の動作(機能,現象など)及び表1の制御器具番号以外の器具を示す文字記号は, JEM 1115の規定によるほか,下記表による。

文字記号 内     容 対応英語(参考)
ABC 自動ボィラ制御装置 Automatic boiler controller
ACC 自動燃焼制御装置 Automatic combustion controller
ACR 自動電流調整装置 Automatic current regulator
AFC 自動周波数制御装置 Automatic frequency controller
AFU 自動追従装置 Automatic follow-up device
ALR 自動負荷調整装置 Automatic load regulator
APC 自動出力制御装置 Automatic power controller
APFR 自動力率調整装置 Automatic power factor regulator
APR 自動出力調整装置 Automatic power regulator
AQR 自動無効電力調整装置 Automatic Q regulator
ASR 自動速度調整装置 Automatic speed regulator
ATS タービン自動始動装置 Automatic turbine start-up controller
AVM 自動揃圧装置 Automatic voltage matcher
AVQC 自動電圧及び無効電力制御装置 Automatic voltage and Q controller
AVQR 自動電圧及び無効電力調整装置 Automatic voltage and Q regulator
AVR 自動電圧調整装置 Automatic voltage regulator
ccc 横流補償器 Cross-current compensator
CDT サイクリックディジタルテレメータ Cyclic digital telementer
CPT 電子計算機 Computer
EDC 自動経済負荷配分制御装置 Automatic economic load dispatching controller
EHC 電気油圧式タービン制御装置 Automatic hydraulic controller
EHG 電気油圧式タービン調速装置 Automatic hydraulic governor
FCB ファストカットバック Fast cut back
LDC 線路電圧降下補償器 Line voltage drop compensator
OEL 過励磁制限装置 Over excitation limiter
PIO プロセス入出力装置 Process input /output
PMG 永久磁石発電機 Permanent magnet generator
PSS 電力系統安定化装置 Power system stabilizer
TC テレコントロール Telecontrol
TM テレメータ Telemetering
TOR 総合無効電力調整装置 Total Q regulator
UEL 不足励磁制限装置 Under excitation limiter




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