新人のための電気の基礎知識(直流回路)

文系の人、電気物理を履修しなかった人、うろ覚えの人のために、知っておきたい電気の基礎知識をまとめた。

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担当:
システム技術担当 伊藤
( Mail:k.itou@itoffice.jp )

1A.数学の基礎知識(1)

1.1.数の分類
1.2.面積・体積
1.3.分数
1.4.比例
1.5.累乗・指数・平方根(ルート・√)
1.6.常用対数(log10
1.7.三角形の特徴
1.8.三角関数
1.9.複素数・ベクトル
1.10.グラフ(調整中)
1B.数学の基礎知識(2)

1.11.等式
1.12.因数分解
1.13.数列(Σ)・階乗
1.14.微分
1.15.積分
1.16.自然対数
   (オイラーの公式)



単位

・接頭語
・基本単位
・SI組立単位
・ギリシャ文字
2.直流回路

2.1.オームの法則
2.2.電力・熱エネルギー
2.3.直流回路の計算
2.4.電源(電池)の接続

3.磁気

3.1.電流と磁気の関係
3.2.磁力・磁束
3.3.磁性体
3.4.電磁誘導
4.静電気・コンデンサ

4.1.電子・静電気
4.2.クーロンの法則
4.3.コンデンサ
4.4.コンデンサの接続
5.交流回路

5.1.正弦波交流
5.2.ベクトル
5.3.RLC回路
5.4.位相
6.三相交流

6.1.三相交流
6.2.三相結線
6.3.交流電力
6.4.三相四線式・単相三線式
                     
参考図書
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2.1.オームの法則

電流
単位:A
・ある電線の断面を単位時間に通過する
 電荷の量の事をいう。
・電線の断面をt秒間に1Cの電荷が流れるとき、
  I=Q/t   
      I=電流(A)、t=時間(秒)、Q=電荷(C)
 の式で表される。
電圧
単位:V
・電圧:電位差の事
  電気的ポテンシャルエネルギーで、一般的に
  水位差によって説明される。
・起電力:電位差を生じさせる力。
 
オーム
の法則
単位
抵抗:Ω
コンダクタンス:S
・電線を流れる電流は
      電位差(電圧)に比例する。
・その時の比例定数を
      コンダクタンス(S)
 その逆数を抵抗(Ω)という。
・抵抗は電流の量によらない。
・オームの法則の式
   I=V/R  V=IR
電気抵抗と
伝導率

単位
伝導率:S/m
・電気の流れにくさの事。
・物体の長さに比例し、断面積に反比例する。
・電気抵抗 
 R=ρl/S
  ρ=電気抵抗率、l=長さ、S=断面積
・伝導率
 σ=1/ρ


2.2.電力・熱エネルギー

電力
単位:
・電気エネルギーが単位時間あたりにする仕事。(W:ワット)

   電力P=VI
      P=I2
      P=V/R

電力量 ・電流がある時間流れた時にする仕事量

  電力量W=Pt
      W=VIt
      W=IRt
      W=(V/R)
  1W・s=1J
  1W・h=3600W・s
 1kW・h=1000×3600W・s
ジュールの法則
単位:J
・抵抗Rに電流Iがt秒間流れた時、発生する熱エネルギー
                           (ジュール熱)
   Q=IRt
  Q=VIt

      (ジュール熱は電流の2乗に比例する)
 1J=1Nm
 1J=2.78×10-7kWh
水の温度上昇 ・水温を上昇させるエネルギー
  Q=水の比重×質量×上昇温度
  Q=4.19×10MT   (M:kg、T,上昇温度)


2.3.直流回路の計算

抵抗の
直列接続
・V=V1+V2+Vn
・合成抵抗
     R=R1+R2+Rn
抵抗の
並列接続
・I1=V/R1、I2=V/R2、In=V/Rn
・合成抵抗
直列接続と並列接続の混合 並列接続、直列接続の単純な組み合わせは、
最小単位の接続の合成抵抗から順次求めてゆくと良い。
キルヒホッフの法則       ・第一の法則
  回路網上の任意の分岐点において、総流入電流の和と流出電流の和は等しい。
・第二の法則
 回路網上の任意の閉回路を一定方向にたどるとき、電源の起電力の総和と、電圧降下の総和は等しい。
ホイートストン
ブリッジ
(ブリッジの均衡)
Ia=0であるとき、

・R1I1=R2I2、R4I1=R3I2
ゆえに
R1R3=R2R4
 または
   R1/R2=R4/R3

・テスタ等の計測器に使用される。
テブナンの定理
(等価回路)
複数の電源を含む複雑な回路において、電源を短絡状態(電流源はOPEN)と仮定し、回路を簡略化(等価回路)して取り扱う。
この等価回路はオームの法則にも従う。
ミルマンの定理
重ね合わせの理 ・複数の電源を含む複雑な回路において、任意の位置の電流は、個々の電源から与えられる電流の和になる。
・個々の電源による電流を計算する時、他の電源は”0V”とみなす。


2.4.電源(電池)の接続

電池の
内部抵抗
・電池は起電力と内部抵抗を持っている。
・したがって回路に流れる電流Iが変化すると(Rの値が変わると)、
 端子電圧Vも変化する。

   V=E−Ir
   ここでI=E/(r+R)を代入して
   V=E−Er/(r+R)

   V=E(1−r/(r+R))
整合条件

抵抗Rで消費される電力は、抵抗Rの変化によって右図の様に変化する。
同電力Pの最大値は、内部抵抗r=外部抵抗Rの時となる。
この事を整合(整合条件)という。

外部抵抗Rで消費される電力P=VI
Rの電圧=E・(R/(R+r))
電流=E/(R+r)

外部抵抗Rの電力P=VI
=E・(R/(R+r))・E/(R+r)
=E・(R/((R+r)))
電池の
直列接続
・電池の直列接続では、起電力の和と、内部抵抗の和を各々計算し、
 等価回路で計算する。

・電池が複数直列接続されるときの電流
  I=(E1+E2+En)/(R+(r1+r2+rn))
電池の
並列接続
・起電力が同じ場合

 内部抵抗が並列になっているので、
 抵抗は1/2となるが、同じ起電力を並列接続 しても
 その値は変わらない(電位差に変化がない)
  I=E1/(R+r/2

・起電力が異なる場合 (E1>E2の場合)

 Ia=(E1ーE2)/(r1+r2)
 V=E1−Iar1
 Iaを代入して
 V=E1−r1(E1-E2)/(r1−r2)

 または
 V=E2+Iar2

起電力の異なる電池を並列接続すると、無負荷状態
でも循環電流(Ia)が流れ、電池を消耗させる事になる。


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