新人のための電気の基礎知識(交流回路)
2.直流回路 2.1.オームの法則 2.2.電力・熱エネルギー 2.3.直流回路の計算 2.4.電源(電池)の接続 |
3.磁気 3.1.電流と磁気の関係 3.2.磁力・磁束 3.3.磁性体 3.4.電磁誘導 |
4.静電気・コンデンサ 4.1.電子・静電気 4.2.クーロンの法則 4.3.コンデンサ 4.4.コンデンサの接続 |
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6.三相交流 6.1.三相交流 6.2.三相結線 6.3.交流電力 6.4.三相四線式・単相三線式 |
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交流について | ある、一定の磁束密度の磁界の中ををよぎるようにコイル(導体)を回転させるとフレミングの右手の法則により起電力が発生する。 その時の起電力は、磁束をよぎる導体の長さと速度により決まる為、以降に説明する様な正弦波となる。 国内で発電している電力はこの原理に基づくため、国内で供給される全ての商用電力、家庭用電力は正弦波交流となる。 太陽光発電など、その他の原理で発電されても、同一送電線に乗せる都合上、正弦波交流電力に変換されている。 起電力E=-d/dt(BS・cosθ)=ωBS・sin(ωt) ω:一定の角速度 |
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正弦波交流波形 | (電圧) v=Vm・sin(ωt+θ) [V] で変化する交流波形となる。(電圧=X軸、時間=Y軸) v:電圧の瞬時値 Vm:電圧の最大値 ω:角速度(ω=2πf) t:時間 θ:位相 f:周波数 |
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周期と周波数 | T=1/f T:周期 f:周波数 |
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正弦波交流電流 | (電流) i=Im・sin(ωt+θ) [A] i=電流の瞬時値 Im=電流の最大値 ωt+θ:位相 |
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位相差 | 2つの電流 i1=Im1・sin(ωt+θ1) i2=Im2・sin(ωt-θ2) において i1とi2の位相差=θ1−(-θ2) 位相差が負の時、12はi1に対して”進み”となり、 位相差が正の時、I2はI1に対して”遅れ”となる。 |
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平均値 | 平均値=2/π×最大値 (2/π≒0.637) |
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実効値 | 実効値=最大値/√2 (1/√2≒0.707) ある電力(Im×Vm)の平均電力値((Im・Vm)/2)を構成する電圧と電流値 (Im/√2)×(Vm/√2)=(Im・Vm)/2 一般家庭に送電される”電圧100V”とは実効値であるので、 最大値Vmax=141[V]、平均値≒90[V]が配電されていることになる。 |
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波高率 波形率 |
交流波形を表す式 波高率=最大値/実効値 波形率=実効値/平均値 |
5.2.ベクトル・複素数:数学の基礎1A-(1.9.複素数・ベクトル参照)
ベクトル | 大きさと向き(角度)を線分で表示した量。 Ia=Icosθ Ib=Isinθ I=√(Ia2+Ib2) θ=tan−1(Ib/Ia) |
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ベクトルの加算 | I=√((I1cosθ1+I2cosθ2)2+(I1sinθ1+I2sinθ2)2) tanθ=(I1sinθ1+I2sinθ2)/(I1cosθ1+I2cosθ2) |
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複素数 | 複素数 | 2つの実数(a,b)の組み合わせで出来る値を、虚数単位(j)を用いる事で1つの数として扱う。この様な数(a+jb)を複素数という。 | |
虚数単位 | 二乗してー1になる数(J2=ー1、J=√(−1))を虚数単位という。 一般数学では、"i"を用いるが、電気では"j"を用いる。(電流"i"との誤用を避けるため) |
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実部・虚部 | 2つの実数のうち、y軸方向の数を”実部"、x軸方向の数を”虚部”という。 | ||
5.3.RLC回路 (瞬時値・位相の関係は5.4.位相参照)
インピーダンス | 抵抗(R) | 交流電源電圧v=√2V・sin(ωt)の時 (V=実効値) i=√2(V/R)sin(ωt) I(実効値)=V/R |
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インダクタンス コイル(L) |
インダクタンス(3.磁気(4)電磁誘導参照) 交流電源電圧v=√2V・sin(ωt)の時 (V=実効値) インダクタンスLを持つコイルの誘導起電力e=−L(Δi/Δt) v=√2・ωLI・sin(ωt+π/2) (電圧は電流よりπ/2[rad]進む。 -->電圧を基準にすると、電流が”遅れ”となる) I=V/ωL (I・V:実効値) ωLを誘導リアクタンスと称しXL[Ω]で表す XL=ωL=2πfL (XLは周波数fに比例し、大きくkなるほど電流が流れにくくなる) |
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キャパシタンス コンデンサ(C) |
キャパシタンス(4.静電気・コンデンサ(3)コンデンサ参照) 交流電源電圧v=√2V・sin(ωt)の時 (V=実効値) コンデンサに蓄積される電荷qは q=Cv=√2・CV・sin(ωt) i=√2・ωCV・sin(ωt+π/2) I=ωCV (電流は電圧よりπ/2進む) XC=1/ωL |
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インピーダンス | インピーダンスについて。 (1)インダクタンスLとキャパシタンスCと抵抗分Rの組合せ(電圧と電流の間の位相差・周波数を考慮した値)をインピーダンスと称し、直流回路に於ける抵抗と同等の計算を行う。 (2)インピーダンスを複素数の実部と虚部で表現した場合(Z=R+jX)のXをリアクタンスという。 (3)リアクタンスがプラス(誘導性リアクタンス)の時、電圧は電流に比較して進みとなり、マイナス(容量性リアクタンス)の時、電圧は電流に比較して遅れとなる。 (4)インピーダンスの逆数をアドミタンスという。 (5)アドミタンスを複素数の実部と虚部で表現した場合(Y=G+jB)のGをコンダクタンス、Bをサセプタンスという。 |
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インピーダンスの合成 | 合成インピーダンスZは、ベクトル合成で求める。 インピーダンスZ=V/I 合成インピーダンス R+XL:Z=√(R2+XL2) R+XC:Z=√(R2+XC2) R+XL+XC:Z=√(R2+(XLーXC)2) |
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RLC直列回路 | R+L |
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R+C |
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R+L+C |
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直列共振 | 上記回路において、 VL=VCつまりXL=XC の時、θ=tanー1(0)となり電流 I が最大となる。 この状態を直列共振という。 XL=XC --> ωL=1/ωC --> 2πfL=1/(2πfC) 式を変形してこの時の周波数f0を求める。 f0=1/(2π√(LC)) |
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RLC並列回路 | R+L+C |
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並列共振 | 上記回路において、 ωL=1/ωCのとき、電流I=IRとなる。 この状態を並列共振という。 直列共振と同様、 f0=1/(2π√(LC)) が共振周波数。 |
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抵抗 | 抵抗のみの回路では、電圧と電流が同相となる。 |
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インダクタンス(コイル) | コイルのみの回路では、電圧を基準とすると電流は遅れとなる。 電力値は遅れ向こう電力となる。 |
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静電容量(コンデンサ) | コンデンサのみの回路では、電圧を基準として電流は進みとなる。 電力値は進み無効電力となる。 |
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コイルと抵抗の合成回路 | コイルと抵抗の合成回路 力率=cosθ |
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コンデンサと抵抗の合成回路 | コンデンサと抵抗の合成回路 力率=cosθ |
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位相差 | 電圧と電流の位相差が大きいと、無効電力が大きくなり、有効電力は小さくなる。 皮相電力は変わらない。 有効電力=VIcosθ 無効電力=VIsinθ 皮相電力=VI 力率=cosθ |
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