新人のための電気の基礎知識(三相交流)
2.直流回路 2.1.オームの法則 2.2.電力・熱エネルギー 2.3.直流回路の計算 2.4.電源(電池)の接続 |
3.磁気 3.1.電流と磁気の関係 3.2.磁力・磁束 3.3.磁性体 3.4.電磁誘導 |
4.静電気・コンデンサ 4.1.電子・静電気 4.2.クーロンの法則 4.3.コンデンサ 4.4.コンデンサの接続 |
5.交流回路 5.1.正弦波交流 5.2.ベクトル 5.3.RLC回路 5.4.位相 |
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三相交流の発生 | 平行磁界中に同一巻き数のコイル3組を互いに等間隔(120°)で配置して回転させると、各コイルに大きさが等しく、120°((2/3)π)の位相差がある正弦波の起電力が発生する。(三相交流の発生) (単相交流が3組発生する)(正弦波交流参照) |
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対称三相交流 | 下記のような三相交流を”対称三相交流”と呼ぶ。 ・三相の起電力が等しい ・三相の周波数が等しい ・位相差が三相全て(2/3)πの関係にある。 ・結果、三相の起電力(瞬時値)のベクトルの和が”0”になる 一般的に三相交流といえば対称三相交流の事を指す。 |
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平衡三相回路 | ・各相の負荷が等しい場合、平衡負荷という。 ・電源が対称三相交流で、負荷側が平衡負荷の回路を平衡三相回路という。 |
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三相交流の相順 | 起電力の発生する順に、 ・1相、2相、3相 または ・a相、b相、c相 と称する(R相、S相、T相という言い方もあった) |
電流・電圧の位相関係は、5.交流回路(4)位相参照 |
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三相交流の式 | 起電力(瞬時値) ea=√2E・sin(ωt) eb=√2E・sin(ωt−(2/3)π) ec=√2E・sin(ωt−(4/3)π) |
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Y−Y結線 | Y−Y結線 線間電圧=√3×相電圧 線間電流=相電流 Y-Y結線では、送電流は線電流と同じであるが、線電圧は相電圧の√3倍となる。 |
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Y-Y結線 電流と電圧の関係 三相交流の計算では、単相に分解して、単相交流同様に計算を行う。 平衡三相交流とすれば、各相の電圧、電流の位相差は同じであるので、位相差をθとすると、 相電流Ia=相電圧Ea/インピーダンスZa 瞬時値Ia’=(√2・Ea/Za)sin(ωt-θ) (線間電流=相電流) θ=tan−1(X/R) |
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Δ−Δ結線 | Δ−Δ結線 線間電圧=相電圧 線間電流=√3×相電流 |
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Δ-Δ結線 電流と電圧の関係 三相交流の計算では、単相に分解して、単相交流同様に計算を行う。 平衡三相交流とすれば、各相の電圧、電流の位相差は同じであるので、位相差をθとすると、 相電流I1=相電圧Ea/インピーダンスZa 瞬時値I1’=(√2・Ea/Za)sin(ωt-θ) θ=tan−1(X/R) |
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V−Δ結線 | V結線 線間電圧=相電圧 (対称三相交流) V結線変圧器の利用率 接続可能負荷容量/変圧器2台分の容量 =(√3)/2=86.6% 同一電源の場合のΔ結線に対するV結線の容量 =1/(√3)=57.7% |
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V-Δ結線の線間電流 V-Δ結線では、相電圧=線間電圧(但し、電源の無い相は他の相電圧の和の逆となる。) 電源側から見ると、相電流=線間電流となり、負荷側の相電流が電源側相電流(線間電流)の1/√3倍となる。 |
インピーダンスの計算、位相θは、5.交流回路(4)位相参照 |
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Δ−Y変換 (平衡負荷) |
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Δ−Y変換 (不平衡負荷) |
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線間電流 不平衡三相負荷 中性線有り (電源は対称三相交流) |
各相を単相として扱う。 負荷が不平衡であるため、I0は”0”にならない。 |
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線間電流 不平衡三相負荷 中性線無し (電源は対称三相交流) |
単相交流電力 | 皮相電力 S[VA]=VI |
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有効電力 P[W]=VIcosθ θ:電圧に対する電流の位相差 |
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無効電力 Q[var]=VIsinθ |
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力率 力率=cosθ |
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瞬時電力 p=2VIsin(ωt)・sin(ωt-θ) |
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三相交流電力 | 皮相電力 S[VA]=√3・VlIl 皮相電力=√3×線間電圧×線間電流 |
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三相電力(有効電力) P=3VpIpcosθ 三相電力=3×相電圧×相電流×力率 |
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有効電力 P[W]=√3・VlIlcosθ 有効電力=√3×線間電圧×線間電流×力率=皮相電力×力率 |
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無効電力 Q[Ver]=√3・VlIlsinθ 無効電力=√3×線間電圧×線間電流×無効率=皮相電力×無効率 |
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単相電力計2台での有効三相電力計測 | 平衡三相負荷の有効三相電力は、単相電力計2台で計測することが可能。(ベクトル計算は左図参照) 三相電力P=P1+P2 P1=Vac×ia=(Va−Vc)ia P2=Vbc×ib=(Vb−Vc)ia P1+P2=(Va−Vc)ia+(Vb−Vc)ib =Vaia−Vcia+Vbib−vcib =Vaia+Vbib−Vc(ia+ib) =Vaia+Vbib+Vcic ic=−(ia+ib) P1,P2:単相電力計の測定値 ・θがπ/3を超えると、P=P1-P2 ・P1,P2の値は単独では意味を持たない |
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単相電力計による三相無効電力の測定 | 平衡三相負荷の無効電力は、単相電力計1台で計測する事が可能。(ベクトル計算は左図参照) P1(Ver)=VabIc・cos((π/2)-θ) =VabIc・sinθ Pa=(1/√3)VabIc・sinθ 三相無効電力 P(Ver)=3×Pa=√3・P1 |
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三相4線式 (中性線付Y結線) |
三相四線式には、中性線付きY結線を示す場合と、三相三線式+単相三線式の組みあわせを示す場合(下記参照)ある。 三相が平衡負荷の場合、中性線の電流は”0”になるが、不平衡負荷、或いは一相欠相(事故等)の場合、中性線に電流が流れる事になるで注意が必要。 |
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三相四線式 (単相三線式との組合せ) |
・200V(低圧)配電用変圧器2次側で、 三相(Δ結線・V結線)と単相三線式が組み合わされたもの。 ・1相の中性線を接地した上で引出し、単相AC100V・単相AC200V両方で利用可能とする。 2分割したAC100Vの負荷バランスを考慮する。 中性線が開放すると、(負荷バランスによっては)100V定格の負荷に定格以上の電圧が加わり、負荷の機器を破壊(過電圧)する可能性がある。 そのため、中性線欠相保護付きブレーカーを採用し、過負荷時に中性線の欠落(開放)を防ぐ。 |
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